2007 JLMC RD1 REPORT

RACE REPORT ~ 2007 JLMC 開幕戦 菅生

IMG_5258.JPG5月13日、宮城県スポーツランドSUGOにて、ジャパン・ルマン・チャレンジ開幕戦が行われました。
昨年はLMP2クラスにGC-21で参戦していたこのシリーズですが、今年はLMP1クラスにステップアップし、チームは一ツ山レーシングから、車両はZytek05Sというヨーロッパのルマン・シリーズでも使用されていた本格的なプロトタイプでの参戦になります。
金曜日のプラクティスから走行を始めましたが、僕はこの1日でしっかりと車の特性を掴む必要があります。Zytek05Sは僕のキャリアの中でも最も速い車で、1.5トン近くのダウンフォースを生み出す車体とカーボンブレーキから、特にコーナーでのスピードが速い車です。昨年の車と比較してみると、50kmほど速い最高速から20m以上奥でブレーキング出来る様なパフォーマンスを持っています。
エンジニアとパートナーの野田選手が出来るだけ僕の慣熟走行に時間を回してくれたので、1時間みっちりと走る事が出来、当初言われていた1分15秒台の目標タイムを上回る14秒3をマークしてプラクティスを終える事が出来ました。
土曜日は、全てのドライバーが基準をクリアする為のドライバー予選30分と、決勝のスタートグリッドを決めるグリッド予選が行われました。ドライバー予選では昨日を上回る13秒7をマークし、野田選手も難なく基準タイムをクリアします。
その後のグリッド予選では、Newタイヤの経験にと僕にアタックを任せてもらい、1分13秒7をマーク。LMP1ライバルとなる無限クラージュが13秒2をマークした為、2番手からのスタートなりましたが、決勝に向けて車の状態は良好で、明日に期待出来る1日となりました。
日曜日は朝に30分のウォーミングアップ走行があり、そこで決勝の状態を確認しながら13秒3をマーク。好調を維持したまま、12時からの決勝レースを迎えます。
コーナーの速いZytekと直線の速い無限クラージュは作戦も異なり、タイヤ交換を毎スティント行う必要のある我々に対し、ライバルは2スティントに1回のタイヤ交換が予想される為、毎スティントでマージンを稼ぐ必要があります。
スタート担当は野田選手。パワーで劣る我々には厳しい筈のスタートでしたが、ジャンプスタートと思うくらい抜群のスタートを決め、1コーナーのブレーキングでアウトからトップに立ちます。その後も周回ごとに差を付けていき、最初のピット作業を迎える45周時点で40秒近くのマージンを作り、僕とドライバー交代。トップのままコースに復帰します。車の状態はとても安定していて、ライバルに対して毎周3秒近く速いペースで周回を重ね、僕のスティントが終わる頃には2番手に2周差を付けることに成功。その時点でのファステストラップ15秒8をマークして野田選手に交代します。
その後も順調に周回を重ね、僕の2回目のスティントを迎えます。1回目を上回るペースで走行出来、ファステストも15秒2に更新して再び野田選手へ交代。4時間を過ぎたあたりから、ピット作業用エアジャッキの1本が降りなくなったりと細かいトラブルが出てきますが、メカニックが的確に対処した為、大きなロス無く周回を重ねていきます。後半に入り、無限クラージュもペースを上げファステストを更新して追い上げてきますが、その時点で3周のマージンを築いていた為、我々は予定通り周回を重ねていきます。
5時間過ぎには最後のピット作業を済まし、野田選手から僕へバトンタッチ、そのままゴールを目指します。その頃からメカニックがサインボードを出せない程の風速26mという強風が吹き出し、路面温度も下がってきた為、少しペースを押さえて走行していきます。残り45分を切った頃、追い上げを図った無限クラージュが1コーナーでコースオフ。サンドトラップにはまり、コース復帰した頃には我々と10周の差が付いていました。
しかし、ゴールするまで何が起きるか分からないのが耐久レースの難しいところ、実際去年のもてぎでは悔しい思いをしている為、集中力を保ちながら車にストレスをかけないスムースな走行を心掛けます。
そして迎えた6時間目、我々がトップでゴールし、レースが終了。去年本命とされながら、ことごとくトラブルに見舞われてきたのが嘘の様な展開でZytek05Sの初優勝。
そして僕にとって初めてのルマン・カーでのレースで優勝という、最高の結果でレースを終える事が出来ました。
結果以上に嬉しいのは、目標としていたルマン・カーで毎周プッシュしながらも安定したペースで走り切れた事。そして、僕がこの環境で乗る為にサポートしてくれたスポンサーさんやチームの皆がとても喜んでくれた事です。
僕は最初にチャンスという大きなものを頂いて、それをシーズン通してどれだけ、どんなかたちでお返ししていけるかという立場にいます。今回はその一つに過ぎませんが、感動や喜びというかたちで少しでもお返し出来たことに僕自身感動を覚えました。
この後のレースでも常に今より上を目指し、舞台が世界に変わっても同じ様なパフォーマンスが出来る様、頑張りたいと思います。